震災からの復興

2017年07月12日

 

心の復興は置いてきぼり

Keywords:  震災復興  レジリエンス  幸せ 

 

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東日本大震災の被災者支援プロジェクト「JKSK結結プロジェクト」が、東京新聞への連載を通じて被災地復興の様子を伝える「東北復興日記」。今回は、2016年12月6日に掲載された、心の復興の大切さを伝える記事をご紹介します。

東日本大震災で巨大津波が押し寄せた宮城県石巻市の海岸線には、防潮堤などの人工物が陣取っています。一帯には盛り土整備された漁港、工業地帯、復興ニュータウンなどが造成されました。開発中は工事車両が行き交って活気があるように見えましたが、今では静寂が広がり、建物の真新しさばかり目につきます。

避難所から仮設住宅を経て復興公営住宅へと何度も引越し、その都度新たな人間関係をつくりなおさなければなりませんでした。震災から5年以上が過ぎましたが「今が一番つらい」と口にする年配の女性がいます。「眠くて眠くて」と疲労感を訴える方も。復興公営住宅に入って外出が減っているようにみえます。私自身も季節感を失っていましたが、飛来するハクチョウを見て「冬が近い」と思える感覚がようやく戻ってきました。

震災から3年目を迎えたころ、毎日15分ほど泣いていました。心の動揺をどう処理したらいいのか、不安が押し寄せました。そのうち嗚咽も伴い始めました。一人でいる時に、急に始まります。周りに人がいても泣きじゃくるようになりました。突然訪れる状態に、周りだけでなく私自身も戸惑いました。

そうした状況が1年以上続きました。震災直後に石巻市の日和山から市街地の変わり果てた光景を見た衝撃があまりに大きく、恐怖を封じ込めていたからなのでしょう。原因に気づいて気持ちが楽になり、嗚咽は現れなくなりました。

今、気掛かりなのは住民同士に生じた溝のこと。例えば防潮堤建設を認めるかどうかなど、復興まちづくりのあり方を巡って意見が割れたりすると、対立の構図がしこりとなって残っているように感じるのです。復興事業は着々と進みますが、心の復興は置いてきぼり。平時の感覚に戻るには時間がかかりそうです。

ソーシャルアカデミー寺子屋
事務局長 太田美智子

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