幸せ・レジリエンス

2015年02月24日

 

経済成長すれば、失業率・貧困率は低くなる?

Keywords:  定常型社会  幸せ 

 

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イメージ画像: Photo by いしだひでヲ

JFSのパートナー組織である幸せ経済社会研究所が2014年10月に実施した「経済についての意識調査」では、約8割の人が「GDPが成長し続けることが必要」と回答しました。同調査の結果からは、GDPの成長による失業者の減少や賃金向上への期待感も伺えます。
http://www.japanfs.org/ja/news/archives/news_id035131.html

しかし、統計データは、期待とは裏腹な現実の姿を示しています。有限会社イーズのウェブサイトに掲載されている「データのつながりを読む」から、GDPと失業率、貧困率との関係についてお伝えします。

GDPと完全失業率

「経済成長してGDPが大きくなれば、雇用は守られ失業者は減るに違いない」と考えている人は多いのではないでしょうか? だからこそ、経済成長によって地球の資源が枯渇していくことがわかっていながら、「経済成長が優先」と考える人が多いのかもしれません。それでは、実際はどうなのでしょうか? GDPと失業率の関係を表したのが、このグラフです。

グラフ:日本のGDPと完全失業率の推移

赤い線はGDPの金額を表しています(左軸)。緑色の線は完全失業率を表しています(右軸)。完全失業率とは、15歳以上の労働力人口のうち、職がなく求職活動をしていて、すぐに仕事に就くことができる人の割合を示す数字です。

グラフをみると、1980年代後半から1990年代頭のバブル経済の時期には、「GDPが増え、失業率が減る」傾向が見られるものの、その他の期間をみると、GDPと完全失業率の関係はまちまちであること、そして全体として1970年と2012年を比べると、GDPも完全失業率も高くなっていることがわかります。

つまり、大方の予想(希望?)に反して、「GDPが増えても、失業率は減っていないどころか、GDPが低かったかつてよりも高くなっている」のです。

GDPと相対的貧困率

OECDのFactbook2010(2000年代半ばのデータ)によると、日本の相対的貧困率は、当時のOECD加盟国30カ国のうちで4番目に高い値になっています。「日本は豊かな国だから貧困とは無縁」と思っている方には、ショックなデータだったのではないでしょうか。

相対的貧困率は、先進国の貧困を論じる際によく使われる指標です。これは、国民の所得の中央値(所得の低い額から順番に並べたときにちょうど真ん中の額)の半分未満の所得しかない人々の割合を示します。

参考)キーワード解説:貧困率
http://ishes.org/keywords/2013/kwd_id001080.html

相対的貧困率とGDPの推移を、グラフで見てみましょう。1985年と2009年とを比べると、相対的貧困率は12%から16%へと上昇していることが分かります。GDPは1985年から1991年にかけて拡大し、その後は停滞しています。

グラフ:GDPと相対的貧困率の推移

両者の関係はどうでしょうか? まず全体的な傾向を把握するために、グラフの始まりと終わり、つまり1985年と2009年の数値だけを比較すると、相対的貧困率もGDPも上昇しています。ただし、その間の期間については「GDPも相対的貧困率も上昇している」時期もあれば、「GDPは増えていないけれども、相対的貧困率は上昇している」時期、また短いですが「GDPも相対的貧困率も減っている」時期もあることがわかります。

このように、相対的貧困率とGDPとの関係は少し複雑です。ただ、よく考えられているような「GDPが成長すれば、貧困は減少する」という関係になっていないことは明らかです。

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