生物多様性・食糧・水

2007年01月27日

 

中国のトキなど16種、保護活動で絶滅免れる

Keywords:  生態系・生物多様性  NGO・市民 

 

国際的な鳥類保護団体バードライフ・インターナショナル(BI)の研究グループは2006年8月24日、論文「われわれは何種類の鳥を絶滅から救うことができたか」で、1994年から2004年の10年間に各国で行われた保護活動によって16種の絶滅危惧種が回復したという成果を発表した。保護活動の結果を数値で示し、その効果を測定するのは世界初の試み。

当研究グループは世界の鳥約240種について、1994年から2004年までの個体数などを調べ、保護の取り組みの効果や保護が行われなかった場合の個体数の変化を推定した。保護活動として、当団体等で生息地の保全と管理、外来種の駆除、繁殖鳥の放鳥を行った結果、中国のトキは22羽から360羽に、米国のカリフォルニアコンドルは9羽から128羽に増加した。

しかしながら、これらの16種は現在絶滅危惧種全体の1.3%に過ぎず、1994年から2004年の間に、他の多くの種は絶滅の方向に進んでいる。特に164種はIUCNのレッド・リストで絶滅の危惧がより高い順位への格上げに匹敵するほど悪化が進んでいることがわかった。絶滅を免れた16種についても、絶滅を食い止めるためにさらに保護活動を強化する必要があるとしている。

減少の主な要因は、生息地の消失や悪化(88%)、外来種の侵入(50%)、開発(38%)などで、特に開発と外来の侵入によるものが深刻であった。バードライフ・アジア代表・市田則孝氏は「日本でも数値目標を具体的に定めて計画実施に望むべき。アマミヤマシギやカンムリウミスズメなど目立たない鳥たちを忘れないようにしたい。」と述べている。




http://www.birdlife.org/news/news/2006/08/butchart_et_al_2006.pdf


登録日時: 2007/01/27 07:08:51 PM

英語記事はこちら


 


 

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