2012年10月15日
富士通は長野工場において2012年6月27日から、国内で初めて、工場廃水中に含まれる銅を効率的に回収する水処理システムを運用することを発表した。高濃度(90パーセント以上)の銅を回収しながら、廃水処理に使用する薬品の種類も4分の1に低減することが可能となる。
工場廃水中に含まれる銅は、これまで凝集沈殿処理をすることにより不純物が含有された多量のスラッジ(汚泥)となっていた。今回のシステムでは磁性体の機能粉を用いて処理をするため、中和剤以外の薬品を使用せずに、少量で高濃度の銅含有スラッジを生成できる。ろ過した後の機能粉は磁気により容易に分離でき、さらにシステム内で再利用が可能なため、有価物回収も含めて運用コストを従来比で約40パーセント削減できる。処理時間の短縮、施設の省スペース化も実現できる。
同社では、さらに付加価値の高い酸化銅に加工する取り組みを2012年10月より行う予定。また本システムを銅以外の有価物質回収にも利用することを検討している。