化学物質

2006年05月17日

 

ダイオキシンを丸呑みして分解する「スーパー細菌」を創成 京大

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京都大学大学院農学研究科の村田幸作教授のグループは、ダイオキシンを短時間で分解する「スーパー細菌」の創成に成功し、その研究成果が2006年1月16日、科学雑誌「ネイチャーバイオテクノロジー」に掲載された。

スフィンゴモナス属細菌は、ダイオキシンなど様々な環境有害物質を引き付け、分解する能力を示すが、自然界から分離された細菌(野生株)の環境有害物質分解能は概して低く、バイオレメディーエーション(環境浄化・再生)に適用するためには分解能を格段に強化することが必要だった。

同グループは、細胞表層に巨大な孔(体腔)を形成し、体腔を口のようにあけ、細胞外の物質を丸呑みする体腔形成細菌を発見。この体腔を形成するシステムの分子機構を解析し、ダイオキシン分解能を有する細菌に移植、分解能の強化に成功した。この分解能を強化した細菌は、高濃度のダイオキシンにも耐性を獲得し、これにより、バイオレメディーエーションに有用なダイオキシン分解「スーパー細菌」創成に成功したもの。

本研究で確立した器官(体腔)の分子移植法は、スフィンゴモナス属細菌以外の他属の細菌にも適用可能と考えられ、様々な細菌の重金属などの環境有害物質の分解能力や除去能力の強化への応用が期待される。



http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/060116_1.htm


http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/nb0601.htm


登録日時: 2006/05/17 03:38:35 PM

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