エネルギー・地球温暖化

2008年11月30日

 

風力発電からの水素を常温常圧で液体として貯蔵へ

Keywords:  再生可能エネルギー  NGO・市民  企業(製造業)  環境技術 

 

JFS/organic hydride
水素から有機ハイドライドを生成する様子:Copyright 稚内新エネルギー研究会


稚内新エネルギー研究会と水素の製造・貯蔵装置を手がけるフレイン・エナジー社は2008年7月16日、北海道稚内市の風力発電設備で生成した水素を有機ハイドライド化する実験を公開した。

この実験は、稚内新エネルギー研究会が2005年から2007年にかけて環境省の「環境と経済の好循環のまちモデル事業」対象事業として設置した水電気分解方式の燃料電池(稚内市が稚内公園内に所有する風車の電力を利用する)から生成される余剰水素と、フレイン・エナジーが2006年から2007年にかけて国際環境技術移転研究センター(ICETT)の京都議定書目標達成産業技術開発促進事業として実証した水素を有機ハイドライド化する技術とを連携させたもの。

有機ハイドライドによる水素貯蔵方式は、水素を常温常圧で液体として貯蔵する方式で、高圧水素タンク方式と比較すると、重量水素含有率で1.2から3倍、容積水素含有量で25から30倍の貯蔵が可能となる。有機ハイドライドはガソリンと同様の性状を持つためタンクローリーなどを使って安全に需要地に供給できる。

また、この方式を風力発電に利用すれば、送電線に連系することなく好風況地に風力発電が設置でき、風力設置容量の大幅な伸びを期待できる。公開実験で生成された水素は札幌市へ輸送され、同年7月28日に同市で開催中の「環境・エネルギー・まちづくりサミット」で水素自動車の走行デモの燃料として使われた。

稚内新エネルギー研究会
http://www.rera-vie.jp/index.html
フレイン・エナジー
http://www.hrein.jp/

有機ハイドライド水素自動車実証走行の成功
http://www.hrein.jp/release/release.0802.htm
2年目の「環境と経済の好循環のまちモデル事業」(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/024069.html

登録日時: 2008/11/30 06:17:10 AM

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