2006年08月31日
川崎重工は、次世代路面電車(LRV)開発の核となる車載用ニッケル水素電池「ギガセル」の実用化にめどをつけたことを2006年6月14日に発表した。同社は「ギガセル」を筑豊電鉄(福岡県)から譲り受けた車両に搭載し、同年8月に走行試験を実施する。
開発中のLRVは、電池を搭載するため架線がない場所でも走行できる。このため、一部区間の架線をなくすことで優れた景観を実現できる。また、変電所から離れた場所での電圧低下による影響を受けないため、変電所の間隔を広げ、変電所数を減らすことができる。さらに、他の電車が走行していない場合には回生ブレーキが発電機として働かない問題も解消でき、エネルギー効率が高まる。
車両は長さ15メートルで、定員は63人。出入り口の床高さが33センチメートル、客室の床高さが36センチメートルで、乗降場との段差を極力小さくしている。この超低床バリアフリー車両を実現するキーテクノロジーとなる台車の基本設計はすでに終了している。同社は、車両製造の豊富な経験をベースに、人や環境にさらに優しい車両の開発を通じて、快適な都市交通の実現や地球環境の改善に貢献していくとしている。
登録日時: 2006/08/31 06:52:03 AM
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