政策・制度・技術

2010年06月08日

 

農研機構、オゾン層破壊をもたらすN2Oガスの発生を抑制する堆肥化技術を開発

Keywords:  環境技術  大学・研究機関 

 

JFS/Japan's National Institute Develops Technology to Suppress Generation of N2O During Manure Composting
Copyright 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構


独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構(以下「農研機構」)畜産草地研究所は、豚ぷんを堆肥化する際に発生する一酸化二窒素(亜酸化窒素、N2O)ガスの発生を、堆肥生産現場で容易に入手できる完熟堆肥を添加することで大幅に削減する技術を開発した。

この技術は、豚ぷん堆肥化過程で生成されるN2Oの発生原因物質である亜硝酸イオン(NO2-)を、完熟した堆肥に通常多く含まれる亜硝酸酸化細菌によって速やかに酸化して硝酸イオン(NO3-)にすることにより、N2Oガスの発生を低減するもの。

N2Oは一分子あたりの地球温暖化係数がCO2の約310倍あり、最も影響の大きいオゾン層破壊物質である。農業が最大の人為的N2O排出源で、特に畜産における家畜ふん尿由来の寄与率は高く、早急な対策が必要だったが、現在まで有効な発生抑制手段はなかった。

試験では、完熟堆肥の無添加に比べて、N2Oガスの発生が平均で60%、最大80%と顕著に削減された。農研機構では、今後は実用化のための実規模に近い堆肥化試験や、他の畜種ふん堆肥(牛・鶏)への適応可能性の検討などを予定している。

世界初、触媒を使わないバイオディーゼル燃料油製造実証試験に成功(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/028872.html
温室効果とオゾン層破壊をもたらす一酸化二窒素ガスの発生を抑制する豚ぷん堆肥化技術を開発
http://www.nilgs.affrc.go.jp/press/2010/0114/
N2Oyokusei_index.html

登録日時:2010/06/08 06:00:15 AM

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