政策・制度・技術

2008年06月20日

 

家畜のゲップからメタンを除去する方法を発見

Keywords:  環境技術  地球温暖化  大学・研究機関 

 

帯広畜産大学の高橋潤一教授の研究チームは、亜硝酸塩中毒を起こした牛のゲップにメタンが含まれないことから、飼料に硝酸塩とシステインを組み合わせることによって中毒がなくなり、メタンも発生しなくなることを発見した。システインは、髪の毛にも存在し、食品添加物や化粧品で美白効果として使われているアミノ酸。

牛の反芻胃中のバクテリアが硝酸塩を亜硝酸塩に還元する時に大量の水素が使われ、二酸化炭素からメタン生成する時に必要な水素がなくなり、システインを与えることで亜硝酸塩はすべてアンモニアに変化する程度の量しか生成されず、牛も亜硝酸中毒にならずにすむという。

同研究は1993年頃から行われ、牛やめん羊を用いた多くの動物実験による研究で、メタン抑制効果のメカニズムが明らかになってきた。この方法以外にもいくつかの安全で有効なメタン抑制剤が開発されている。

メタンは世界の温室効果ガスの約5%を占め、その削減が期待されている。しかし、日本では現在炭素税や公の補助金制度がないため売れる見込みが立たず、飼料会社も開発・取扱いを見合わせている。高橋教授は、排出量取引の枠組みを用いて、開発した飼料を海外で活用することは可能ではないか、と述べている。



http://ir.obihiro.ac.jp/dspace/bitstream/10322/573/1/kou09taka.pdf


http://www.obihiro.ac.jp/~ggaa/


登録日時: 2008/06/20 05:08:44 PM

English  

 


 

このページの先頭へ