2006年09月23日
Keywords: 省エネ 企業(製造業) 大学・研究機関 水 環境技術
神戸大学大学院自然科学研究科の鈴木洋助教授らと新産業創造研究機構は、空調システムの循環水に冷たさを持続させる水和物微粒子と抵抗を低減する界面活性剤を混ぜることで、冷房時のポンプの電力消費を大幅に削減できる技術を開発した。水和物微粒子を水に分散させたものを水和物スラリーという。
近年集中して冷熱・温熱を生成する集中型ビル空調設備が普及している。この方式は格個にエアコンを設置した場合より省エネ効果が高くなるため温暖化防止対策として有効視されているが、ピーク時に冷温熱発生に要するエネルギーの10%-20%を占めるポンプ動力の省エネ対策が重要である。
その対策として期待される水和物スラリーは、粘度が大きく、摩擦流動抵抗が水の2倍であることが実用化への障害の一つとなっていた。今回、界面活性剤による抵抗低減化技術を応用し、摩擦抵抗を減少させることに成功したもの。
水和物スラリーを地上30階、地下2階のビル空調に適用した場合の熱搬送動力に関する実現可能性調査をした結果、水和物微粒子を20%混入させると、熱負荷に対応する流量を約3分の1に減らし、ポンプは6台を2台に、配管の管径を2分の1にでき、バルブや配管部材を節約できることがわかった。さらに界面活性剤を添加し、管径を2分の1にしたとしても、理想値で約75%もの動力削減が可能となる。
http://www.jfe-steel.co.jp/archives/nkk_giho/174/pdf/174_03.pdf
http://www.niro.or.jp/index.php
登録日時: 2006/09/23 01:46:11 PM
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