2013年10月05日
人工クモ糸繊維の実用化に向けた研究開発を進めているバイオ企業のスパイバー(山形県鶴岡市)は2013年5月、人工のクモ糸でできたドレスを公開した。
クモの糸は、鉄鋼を上回る強度と、ナイロンを上回る伸縮性を併せ持つ「世界で最もタフな繊維」として注目されている。だが、クモは肉食で縄張り意識が強いため、家畜化して繊維を生産することは難しい。
同社は、膨大なアミノ酸配列や遺伝子情報、実験データを解析し、クモ糸の遺伝子を微生物に組み込むことで、大量のクモ糸の成分を生産する技術を開発している。微生物の栄養源はバイオマスのため、この技術により、石油に依存しない原料調達が可能となる。
2013年中に小島プレス工業と共同で試作研究プラントを立ち上げ、量産化技術の検討などを進め、2015年のサンプル供給開始を計画している。