2006年05月17日
ディスプレイやプラズマディスプレイパネルなどの薄型ディスプレイの大型化および市場拡大に伴い、透明導電膜に用いられるITO(インジウム・スズ酸化物)ターゲット材の需要が急速に伸びている。日本のインジウム需要は世界最大で、透明電極用ITO向けがそのうちの8割以上を占めているが、インジウムが希少資源であることから、コスト増や資源の確保が問題となってきている。
インジウムは、亜鉛を精錬する過程で出る微量副産物。2006年3月には、国内唯一の亜鉛・鉛鉱山である豊羽鉱山が閉山し、国内鉱からのインジウム生産がなくなるため、スクラップからの回収、再資源化が重要性を増している。
インジウムの回収は、一般的に次の工程で行われる。(1)スクラップとなった液晶パネルをガラスカレット状に粉砕した後、塩酸などで溶解する。(2)液晶パネルに使われているや偏向板や配向膜によって、溶出液にはインジウム以外の元素が多数混在するため、置換析出法などで不純物を除去する。(3)その後、電解精製などによって最終的に高純度のインジウムを精製する。
インジウムリサイクル事業で世界トップの地位を占める同和鉱業の製造子会社の秋田レアメタルでは、使用済みITOターゲット材からのインジウム回収処理能力を、2005年12月から世界最大規模となる年間150トンに増強している。
http://www.dowa.co.jp/
http://www.dowa.co.jp/jp/ir/pdf/meeting/2004_kessansetsumei.pdf
登録日時: 2006/05/17 03:49:28 PM
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