政策・制度・技術

2011年03月04日

 

東大生産技術研究所 磁石スクラップからレアアース回収の新技術を開発

Keywords:  環境技術  大学・研究機関 

 

JFS/University of Tokyo Develops New Technology to Recover Rare Earth Metal from Scrap Magnets
Copyright 東京大学生産技術研究所


東京大学生産技術研究所は2010年10月26日、ネオジムやジスプロシウムなどのレアアース(希土類元素)を使った高性能磁石であるネオジム磁石のスクラップからレアアースを選択的に分離・回収することに成功したと発表した。

新技術は、ネオジム磁石を抽出媒体(塩化物やヨウ化物などの溶融塩)に漬け最高1,000℃まで加熱することで、レアアースのみが反応し化合物となって抽出される。この抽出液を真空蒸留(1万分の2気圧)することなどによりレアアースを効率良く分離・回収できる。スクラップに鉄、アルミニウム、銅、ニッケルなどが混入していてもレアアースのみの選択的抽出が可能である。

現行の湿式法では酸性水溶液を使うため、重金属を含む有害な廃液が多量に発生し、その処理が問題であるが、当技術は水溶液を使わない乾式法なので、その問題が発生しない環境調和型リサイクルプロセスである。

ネオジム磁石は日本のハイテク産業や環境技術に欠かせない存在で、レアアースの安定確保が重要になっているが、資源の偏在など問題が多い。当技術を実用化すれば、現在廃棄されている磁石のスクラップをレアアースの資源として再生利用するために役立つ。

日立製作所 レアアース磁石のリサイクル技術の開発へ(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/029911.html

登録日時:2011/03/04 06:00:15 AM

English  

 

参照元

記者会見「ネオジム磁石スクラップからのレアアースのリサイクル」
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_221026_j.html 
http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/publication/topics/2010/
20101026press1.pdf


 

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