2012年08月12日
富山県は2012年3月17日、神通川流域のカドミウム汚染農地の復元工事の完工式を富山市で開催した。対策面積1686haのうち、公共施設や宅地等の建設用地として農用地以外へ転用される部分を除く863haが、県営公害防除特別土地改良事業により33年の月日と総事業費407億円をかけて復元された。地元農家が自主的に復元した120haを合わせると983haが復元となる。
神通川流域地区では、岐阜県飛騨市の神岡鉱山から排出されたカドミウムが、水源河川である神通川を通じて流入し、日本の四大公害病の1つとなったイタイイタイ病を発生させた。
カドミウムは水田土壌中に流入蓄積され、同地区の基幹作物である水稲の玄米からも基準値以上のカドミウムが検出されたため、1979年から公害防除特別土地改良事業「神通川流域地区」により、土を入れ替え、カドミウム汚染田の復元に取り組んでいた。
総事業費は、原因企業の三井金属鉱業と国、県、富山市が負担。イタイイタイ病は1968年に公害病第1号に認定され、現在までに196人が患者として認定されている。
登録日時:2012/08/12 06:00:15 AM