化学物質

2012年04月27日

 

物質・材料研究機構、飲料水に含まれる有毒ヒ素の簡単・迅速な除去剤を開発

Keywords:  化学物質  大学・研究機関    環境技術 

 

独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS)は2012年1月6日、人体毒性の強い物質として知られるヒ素を、飲料水から簡単に検出し除去することのできる材料を開発したと発表した。研究は、NIMS元素戦略材料センター資源循環設計グループのSherifEl-Safty(シェリフ・エル・サフティ)主幹研究員によるもの。

飲料水へのヒ素汚染は史上最悪の環境汚染とも呼ばれ、現在アジア、南米、アフリカ地域の地下水が広範囲でヒ素に汚染されている。長年にわたり、国連や各国政府が対策を講じようとしているが、安価かつ簡便に日常の飲料水の処理に使いやすいヒ素除去方法の開発は困難だった。

同技術は、高秩序メゾポーラス構造(HOM)と呼ばれる多孔質物質の内壁に、ヒ素を感知し優先的に捕獲する官能基をびっしりと敷き詰めたもので、水中に微量のヒ素が存在するとそれを速やかに吸着・除去する。吸着した段階で色を変えて知らせることもできるため、検出・除去の確認が容易に行える。

個人レベルでも容易に使用でき安全な水を日常的に確保できる技術として、同機構は、今後必要な地域での普及に取り組んでいく考え。

ヒ素浄化効率良く、独自技術で商品化(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/024594.html
自然の浄化作用から発見されたヒ素吸着材料、商品化に成功(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/023787.html
産総研、有機ヒ素汚染に有効な浄化技術を開発(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/024047.html

登録日時:2012/04/27 06:00:15 AM

English  

 

参照元

NIMS 世界の飲み水を救うために
飲料水に含まれる有毒ヒ素の容易かつ迅速な除去材を開発
http://www.nims.go.jp/news/press/2012/01/p201201060.html
http://www.nims.go.jp/news/press/2012/01/201201060/p201201060.pdf


 

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