2011年12月30日
Keywords: 環境技術 企業(製造業) 化石エネルギー 地球温暖化
トヨタグループの豊田中央研究所は2011年9月20日、太陽光エネルギーを利用し、水とCO2のみを原料にして有機物を合成する人工光合成の実証に世界で初めて成功したことを発表した。
近年、地球温暖化問題および化石燃料の代替エネルギー問題を解決できる手段の一つとして、人工光合成に対する関心が高まっている。従来の技術では、付加的に、特殊な有機物、太陽光が含まない波長域の紫外線や外部からの電気エネルギーなどが必要とされていたが、今回植物の光合成と同様、水とCO2と太陽光だけで継続的に有機物が合成できることが実証された。
開発した技術では、水から電子を抽出する酸化反応と、抽出した電子でCO2を還元し有機物を合成する還元反応とを組み合わせ、太陽の光エネルギーを利用して、有機物であるギ酸を合成した。
これはカーボンニュートラルな社会の実現に向けて大きな足掛かりとなるものであるが、太陽光エネルギー変換効率は現在0.04%であり、一般的な植物の光合成効率の1/5程度に留まっている。今後は、植物を越える効率と、メタノール等より付加価値の高い有機物の合成技術の実現を目指す。
みどりの多面的機能の数量的検証など 第5回みどりの学術賞(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/031060.html
京都大学、光合成の新たな仕組みを解明(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/024532.html
登録日時:2011/12/30 06:00:15 AM
人工光合成の実証に初めて成功
―太陽光を利用して水とCO2から有機物を合成―
http://www.tytlabs.co.jp/japanese/news/news.html