政策・制度・技術

2011年03月01日

 

東大、常温常圧で可能なアンモニア合成法開発

Keywords:  環境技術  大学・研究機関 

 

JFS/University of Tokyo Develops Method to Produce Ammonia under Ambient Conditions
Copyright 東京大学大学院工学系研究科


東京大学大学院工学系研究科は2010年12月2日、西林仁昭准教授らの研究グループが新規に開発した触媒を使用し、常温常圧の極めて温和な反応条件下で窒素ガスからアンモニアを合成する反応の開発に成功したと発表した。同研究成果は英国の科学雑誌「ネイチャー・ケミストリー」の電子版で同月5日に公開された。

新触媒は新しく分子設計・合成を行ったモリブデンを含む錯体。同触媒存在下で、窒素ガスと窒素を還元する還元剤(有機金属化合物の一種であるコバルトセン)および水素源とを組み合わせて反応を行うことで、アンモニアを効率的に合成できた。

現代社会において必要不可欠な窒素肥料の原料になるアンモニアは、ハーバー・ボッシュ法により製造されているが、同法では窒素ガスと水素ガスを高温高圧(400~600℃、200~400気圧)の非常に過酷な反応条件にする必要があるため、エネルギー多消費型プロセスである。

新合成法は、1気圧、室温での反応が可能になる省エネルギー型であり、環境にやさしい新しいアンモニア合成のプロセス開発とアンモニア合成プロセスにおける大幅なコストダウンの達成が期待できるとしている。

登録日時:2011/03/01 06:00:15 AM

English  

 

参照元

東京大学大学院工学系研究科 プレスリリース
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/pdf/221206.pdf
西林研究室
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/nishiba/


 

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