生物多様性・食糧・水

2011年01月08日

 

十分な水量が確保できない地域も 国交省の2010年版「日本の水資源」

Keywords:    政府 

 

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イメージ画像 by Japan for Sustainability


国土交通省は2010年7月31日、「2010年版日本の水資源~持続可能な水利用に向けて~」を発表した。水需要量は、現在横ばいまたは減少傾向にあるものの、無降雨期間の長期化や少雪化などにより十分な水量が確保できない地域が存在しており、今後さらに、気候変動により水供給可能量が低下する可能性もあるとの見方が示された。

最近の20年間を見ると、四国地方など西日本、関東、東海地方で渇水が多発している。特に四国の吉野川水系で厳しい渇水が発生しているが、今後、少雨化傾向等が顕著になれば、吉野川水系のような厳しい渇水が将来他の地域でも発生する可能性があるとの懸念が示された。

2007年の水使用量(取水量ベース)は約831億立法メートルで前年から横ばい、生活用水の使用量は約137 億立法メートル(有効水量ベース)で前年比0.6%減、一人一日の平均使用量は303 リットル(有効水量ベース)で前年比0.7%減であった。一方、2005年に海外から日本に輸入されたバーチャルウォーター(輸入品を日本で生産する際に必要となる水の量)は約800億立法メートルと、年間の総使用量に相当する量であったことから、輸入を通じて世界の水を多く消費している日本は、世界の水問題に積極的に取り組む必要があるとの考えが示された。

「日本の水資源」は、1983年度から毎年、国土交通省土地・水資源局水資源部が、日本の水資源の開発・保全・利用の現状等についてとりまとめ、8月1日の「水の日」に合わせて公表している。


登録日時:2011/01/08 06:00:15 AM

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