政策・制度・技術

2009年12月04日

 

東北大、畜産排水を浄化処理する人工湿地実験施設を開設

Keywords:  環境技術  3R・廃棄物  大学・研究機関  生態系・生物多様性 

 

JFS/Wetland_Facility
Copyright 東北大学


宮城県大崎市鳴子温泉の東北大学複合生態フィールド教育研究センターで、人工湿地による水質浄化技術を利用し、エネルギーを使わずに畜産排水を高度に浄化処理する実験施設が、2009年9月1日より本格的に稼働を開始した。

人工湿地は、汚水を流入させるのに必要な最低限のエネルギーがあれば、好気処理・嫌気処理・汚泥減容化処理のすべてを賄うシステムが構築できるため、太陽光発電や風力発電の併設により、エネルギー自立型の汚水処理が可能となる。低コスト・低エネルギーの排水処理施設として、欧米では急速に普及しているが、我が国ではほとんど導入されていない。

同施設では、5つに分かれた合計111平方メートル の人工湿地に、30頭の乳牛に由来する汚水(1日約2トン)を流入させ、浄化機能を検証する。各湿地は、ヨシを植栽したろ過層で構成されており、ろ過層における物理的なろ過・吸着による汚濁成分の捕捉と、ヨシ根圏微生物群による汚濁の生物学的分解の2段階の作用で水質浄化が行われる。

研究チームは、4年間の実証実験により、地方における次世代の小規模分散型排水処理施設としての人工湿地の有用性をアピールしたい考え。

人工湿地実験施設について
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/
pressimg/20090901_01.pdf

登録日時:2009/12/04 06:00:15 AM

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