生物多様性・食糧・水

2004年05月27日

 

水を使わない水洗トイレを開発

Keywords:    エコ・ソーシャルビジネス  企業(製造業)  環境技術 

 

岩手県花巻市の旭エンジニアリングが水を使わず洗浄を行う水洗トイレを開発した。開発したのは男性用小用トイレ。形は「水洗形式」であるが、水の代わりにシリコンとフッ素の混合液を洗浄液として使用。人が近づくとセンサーが反応、便器に無色透明の洗浄液が流れ、尿と一緒に分離タンクへ送る。そして尿だけを分離して排出するしくみ。

分離は、尿と液体との比重の違いを利用しておこなう。水より比重の軽いシリコン液と重いフッ素液の間に尿を閉じ込め、3層に分離し、中間の尿だけを瞬時に排出する。上のシリコン液と下のフッ素液は循環させて再利用する。

洗浄液は半永久的に使用可能で、基本的にメンテナンスも不要。フッ素は殺菌作用があるので、衛生的で臭いの心配もなく、人体に影響はない。同社は昨年特許を取得した。

水を一切使用せず、電気も乾電池程度でまかなえるため、水や電力が節約でき、二酸化炭素およびコストを大幅に削減できる。水や電気をひけない場所に設置できるので、離島、 山頂、イベント会場、船舶、航空機などでの利用が予想されている。また現在使用している水洗トイレに分離装置を装着して使用することもできる。

発売は2004年秋頃の予定。現在各方面から問い合わせが殺到しているという。新世代トイレとして国内外に販売展開していく。同社は大便用トイレの開発にも着手し、ほぼ完成している。水を使用しないエコトイレの今後の展開が大いに注目されている。






登録日時: 2004/05/27 12:38:10 PM

英語記事はこちら


 


 

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