2003年09月27日
松下電器産業先端技術研究所では、砂糖などの有機分子を燃料とする「太陽光バイオナノ燃料電池」を開発し、技術を進展させている。これは一般的には砂糖電池と呼ばれており、糖分が含まれるものすべてを電池にすることができる。砂糖に酵素を加えると水や二酸化炭素に分解するが、その過程で発生する電子を取り出し電気エネルギーに変えるしくみ。
2002年秋にアリゾナ州立大との共同研究で開発した人工葉緑素を電極に使うと、砂糖電池の発電量が飛躍的に上がることがわかった。この人工葉緑素は、感光性の色素であるポルフィリン系化合物を素材としており、植物の光合成の仕組みに着目することで開発されたもの。
実験では、単3型乾電池の100分の1程度の電流を得られた。これは生物が砂糖からエネルギーを取り出す時の効率のおよそ4分の1であり、効率向上が実用化に向けての課題。
この技術が実用化されれば、砂糖でパソコンを充電させたり、心臓病患者のペースメーカーに埋め込むことで血液中のブドウ糖から発電し、電池交換のための手術が不要となることが期待されている。また生ごみなどからも発電ができる。
登録日時: 2003/09/27 11:51:50 AM
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