震災からの復興

2018年03月25日

 

福島県産「再生エネ」五輪で活用を

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東日本大震災の被災者支援プロジェクト「JKSK結結プロジェクト」が、東京新聞への連載を通じて被災地復興の様子を伝える「東北復興日記」。今回は、2017年8月15日に掲載された、福島県産の再生可能エネルギーを東京オリンピック・パラリンピックで活用し、復興をアピールしようという取り組みをご紹介します。

2020年東京五輪・パラリンピックまで残り3年となった2017年7月24日、スポーツの力で東日本大震災の復興を支援し、被災地をつなぐリレー「未来(あした)への道1000キロメートル縦断リレー」がスタートし、8月7日にゴールしました。主催の東京都では、小池百合子都知事が「被災地の復興なくして五輪の成功はない」と、東京大会を「復興五輪」に位置づける意向を表明しています。

大会組織委員会の街づくり・持続可能性委員会は、持続可能性に配慮した東京大会の運営計画について議論。小宮山宏委員長は「大会で消費するエネルギーは福島と東北の太陽光や風力で賄い、その状況を選手村や競技場のモニターに映せば、震災からの復興に注目する世界へのアピールにもなる」と提言しています。

そのような中、2040年に県内エネルギー需要の100%相当量を再生可能エネルギーで生み出すことを目標に掲げる福島県では、都、経済産業省と連携して、県産の再生可能エネルギーから水素を作り、東京大会期間中に活用する、というプロジェクトの実証が進められています。

いち早く立ち上がった、都市鉱山からメダルを作るプロジェクトでは、幹事会社のスズトクホールディングス(東京都千代田区)が、浜通りから回収する小型家電から「復興メダル」を作ることを福島県に提案中だといいます。
(スズトクホールディングスは2017年11月、社名をリバーホールディングスに変更)

東日本大震災の避難者数は当初の47万人から9万人(2017年7月14日現在)にまで減り、住まいとまちの復興は着実に進んできました。一方で、産業の再生、特に観光振興や風評の払拭に一層注力しなければならない状況の下、2020年度で復興庁の設置期間が終了する予定です。

オフィシャルスポンサーの意向が強く反映されるという五輪制度ではありますが、東京大会という絶好のタイミングで復興を象徴するこれらの施策を、国、都、組織委員会、スポンサーが一丸となって世界に発信していくべき時です。

環境リレーションズ研究所理事長
環境ビジネスエージェンシー代表取締役
鈴木敦子

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