エネルギー・地球温暖化

2018年02月11日

 

環境省、気候変動の影響への適応計画の後押しを発表

Keywords:  地球温暖化 

 

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モニタリングサイト1000 ウェブサイト

環境省は2017年10月11日、気候変動の影響への適応計画に基づいて2016年に実施した施策のフォローアップを行い、報告書に取りまとめたことを発表しました。施策の適応計画策定の背景から報告書の概要までをお伝えします。

気候変動の影響に対処し、被害を回避・軽減するため、適応策を推進することが重要とされています。政府は2015年11月27日閣議決定された「気候変動の影響への適応計画」に基づき、関係府省庁において、総合的かつ計画的に適応の取組を進めています。

今回政府は、適応計画の策定後1年以上が経過をしたことを受けて「気候変動の影響への適応に関する関係府省庁連絡会議」において、2016年度に実施した施策のフォローアップを行いました。

フォローアップでは、適応計画の7分野(農業、森林・林業、水産業、水環境・水資源、自然生態系、自然災害・沿岸域、健康、産業・経済活動、国民生活・都市生活)と基盤的取組について、全施策が56施策群に分類されています。各府省庁においてそれぞれの施策群の個票を作成したことで、進捗状況を把握できます。今回は56の施策群のうち、38の施策群で、施策の進捗状況を把握するための指標が各府省庁により設定されました。

自然生態系分野の施策と指標の例を紹介します。施策では、全国にモニタリングサイトを設置し、継続した環境情報の収集を行い、自然環境の質的・量的な劣化を早期に把握する「モニタリングサイト1000事業」や、多様な生息・生育環境を保全・再生する生態系ネットワークの形成に向けた取組などが行われました。その中で、赤潮・貧酸素水塊に係る調査研究では、進捗状況を把握する指標として、調査を実施した海域数(2016年度14海域)が設定されています。

今後も引き続き、関係府省庁連絡会議において、同様の方法でフォローアップを毎年行い、報告書を公表していくことが決まっています。次回のフォローアップは、各分野の行政施策のフォローアップ等との整合性に配慮しつつ、原則として全ての施策で進捗状況を把握するための指標を設定するなど、必要な改善を行うとしています。将来的には分野ごとに適応策の効果の評価を行うことができるよう、引き続き検討を進めていくということです。

気候変動による様々な影響に対し、政府全体としての取組を推進していく「気候変動の影響への適応計画」がフォローアップを繰り返すことで、より計画的に進められていくことを期待しています。

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