エネルギー・地球温暖化

2018年01月29日

 

2016年の温室効果ガス濃度は観測史上最高を更新

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イメージ画像:Photo by byrev.

世界気象機関(WMO)は2017年10月30日、温室効果ガス年報第13号を公表し、主要温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素)濃度は引き続き増加を続けており、2016年の世界平均濃度はいずれも観測史上最高を更新したと発表した。また最近の二酸化炭素濃度の増加速度が、過去の増加速度と比べて前例がないと解説している。

日本の気象庁は、WMOの温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)を運営しており、WMOの下で観測された世界中の温室効果ガス観測データの収集・解析を実施している。同年報はWDCGGが解析した2016年までの温室効果ガスの世界平均濃度に関する結果に基づいて作成された。

2016年の二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の世界平均濃度は、それぞれ403.3 ppm、1,853 ppb、328.9 ppbとなり、解析開始以来の最高値を更新した。この値は、工業化(1750年)以前の、それぞれ145%、257%、122%であった。二酸化炭素の前年からの増加量3.3 ppmも最大となった。

過去数十万年間の二酸化炭素濃度変化は、極域の氷床に閉じ込められた空気から知ることができる。それによると最終氷期末期には80 ppmの増加に数千年を要したが、最近数十年で80 ppm以上増加しており、100倍もの早さになっている。この増加速度は、400 ppmという濃度と共に、過去数十万年間で前例のない水準だ。

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