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2018年01月16日

 

理研、JST、東大、洗濯可能な超薄型有機太陽電池を開発

Keywords:  環境技術  再生可能エネルギー 

 

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イメージ画像:Photo by Wokandapix.

理化学研究所(理研)、科学技術振興機構(JST)、東京大学は2017年9月19日、共同研究の結果、衣服に貼り付けることができ、洗濯も可能な伸縮性と耐水性を持つ、超薄型有機太陽電池の開発に成功したと発表した。

血圧・体温・心拍数・心電波形などの生体情報を継続的にモニタリングするウェアラブルセンサーの電源として、衣服に貼り付け可能な太陽電池の開発が重要である。これには高い環境安定性、高いエネルギー変換効率(太陽光エネルギーを電力に変換する効率)、機械的柔軟性の三つの要素を同時に満たすことが必要になるが、従来の有機太陽電池ではできなかった。

共同研究では、理研が開発した環境安定性とエネルギー変換効率に優れた半導体ポリマー「PNTz4T」を厚さ1ミクロン(1,000分の1ミリメートル)の高分子基板上に形成し、これをあらかじめ引張させたゴムによって双方向から挟むことで、厚さ3ミクロンの伸縮性・耐水性のある有機太陽電池を実現した。

同電池のエネルギー効率は従来の4.2%の2倍近い7.9%を達成した。さらに2時間水に浸した後でもネルギー効率は初期値から5%の低下に抑えられた。また約50%までつぶしても安定的に駆動し、高い機械的柔軟性を持つことが確認された。今後ウェアラブルセンサーの長期安定電源として貢献が期待できる。

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