震災からの復興

2017年06月07日

 

震災通じ地球規模の共感

Keywords:  震災復興  レジリエンス  幸せ 

 

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東日本大震災の被災者支援プロジェクト「JKSK結結プロジェクト」が、東京新聞への連載を通じて被災地復興の様子を伝える「東北復興日記」。今回は、2016年11月8日に掲載された、被災地の課題や関心への民族や国籍を超えた共感について書かれた記事をご紹介します。

東日本大震災直後の2011年4月、当時勤務していた米国・ハーバード大学の同僚や学生たちとシンポジウムを開催した際、登壇者のマイケル・サンデル教授(哲学)は「この震災は世界の人々が民族や国籍を超えて、よりグローバルな倫理観、責任、共感を持つ始まりになるかもしれない」と言いました。

そして人間の関心や共感の範囲が地球規模に広がり、コミュニティーとしての意識を持てることを「グローバル・アイデンティティー」といい、震災を機にわれわれの社会がグローバル・シチズンシップに向かう可能性を予言しました。

この予言が現実となる場を、私は福島県の相馬地域でいくつも見てきました。2012年4月に南相馬市の仮設住宅を案内したボストンからの友人は、バアチャンたちが作った精巧で美しい折り紙やくす玉を見て「素晴らしい芸術」と感激しました。折り紙は4週間後にボストンで開かれた日本祭りに出品。震災に思いを寄せる人々によって完売しました。

英国・エディンバラで公衆衛生を学ぶ大学院生は、ある日本人医師の講演で福島の放射線による健康被害は自分が思っていたよりはるかに少ないことに驚き、2015年9月から1年間、南相馬に住み調査研究をしました。そして「福島の最大の問題は放射線ではなく、ネガティブな地域イメージを持たれることで、それが人々の健康をむしばんでいる」という結論に至り、帰国後も得た知見を世界に伝える活動をしています。

これらは、相馬地域の課題や関心に国を超えて共感し解決していこうとするグローバル・シチズンシップな営みといえます。今、南相馬のベテランママの会が主催するニットサークルのバアチャンたちは、来年のボストン日本祭りのバザーのための作品作りに励んでいます。海の向こうからの復興への願いが届くように、また日本からの応答が伝わるように、書きつづり語り継ぎたいと思います。

星槎大学副学長
細田満和子

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