政策・制度・技術

2017年03月26日

 

日本のSDGs実施指針、未来への先駆者に

Keywords:  政策・制度 

 


イメージ画像:Photo by Rubber Soul Some Rights Reserved.

日本政府は2016年12月22日、持続可能な開発目標(SDGs)実施指針を決定したことを発表しました。SDGsの実施を総合的かつ効果的に推進するため、内閣総理大臣を本部長とし、全閣僚を構成員とするSDGs推進本部を設置した日本が示した指針は、どのようなものでしょうか。市民団体の反応を含め、日本のSDGs実施指針についてお伝えします。

日本のSDGs実施指針は、広く国民等からの意見を踏まえ、広範な関係者との意見交換を行って定められ、2030アジェンダの実施にかかる重要な挑戦に取り組むための国家戦略として示されました。

政府が、関係府省一体となって、あらゆる分野のステークホルダーと連携しつつ、広範な施策や資源を効果的かつ一貫した形で動員していくことを可能にするために定められた実施指針の概要は、以下のようになっています。


ビジョン

「持続可能で強靭、そして誰一人取り残さない、経済、社会、環境の統合的向上が実現された未来への先駆者を目指す」をビジョンとし、世界のロールモデルとなることを目指し、国内実施、国際協力の両面で取り組みを進めていく。

優先課題

SDGsのゴールとターゲットのうち日本として特に注力すべきものを、日本の文脈に即して再構成。8つの優先課題を掲げ、2030アジェンダに掲げられている5つのPに対応する分類とした。

"People"(人間)
◇ あらゆる人々の活躍の推進
◇ 健康・長寿の達成

"Prosperity"(繁栄)
◇ 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
◇ 持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備

"Planet"(地球)
◇ 省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
◇ 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全

"Peace"(平和)
◇ 平和と安全・安心社会の実現

"Partnership"(パートナーシップ)
◇ SDGs実施推進の体制と手段

実施のための主要原則

優先課題に取り組むにあたり、重視する5つの原則を定める。

『普遍性』
国内実施と国際協力を連携することが有意義であることを認識して取り組む

『包摂性』
「誰一人取り残さない」を基本理念に、脆弱な立場におかれた人々にも焦点を当て、人間の安全保障を開発協力の指導理念として位置づける

『参画型』
あらゆるステークホルダーや当事者の参画を重視し、全員参加型で取り組む

『統合性』
経済・社会・環境3分野の全てにおける相互関連性・相乗効果を重視しつつ、統合的解決の視点を持って取り組む

『透明性と説明責任』
政府の取り組みの実施状況を定期的に評価、公表。新たな施策の立案や施策の修正は、公表された評価の結果を踏まえて行う

フォローアップ・レビュー

国連持続可能な開発のためのハイレベル政治フォーラム(HLPF)の自発的レビューに、2017年に参加する。次回の首脳級のHLPFを見据え、最初の取り組み状況の確認および見直しを2019年までを目処に実施。その後も少なくとも4年ごとに実施する。


SDGsの達成をめざして行動するNGO/NPOなどのネットワーク「SDGs市民社会ネットワーク」は、指針策定を受け、「日本がSDGs達成、貧困のない『持続可能な社会』づくりに向けたスタートを切ったことを歓迎し、今後の取り組みの拡大に期待する」とのコメントを発表。NGO/NPO、学界、民間企業、労働組合、国際機関などが参加する「SDGs推進円卓会議」が設置され、多様なセクターが参加し、議論をする中で指針が生まれたことを評価しています。

今後については、指針に従い多様なセクターが参加する形で確実に施策・政策が実施されることが重要である一方で、ゴールに向けた試行錯誤も必要になると言及。ゴールの達成に向け、持続可能な社会への変革を加速させていくために、政府、市民社会、民間が力を合わせていくことが鍵になるとしています。

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