震災からの復興

2016年04月11日

 

地域に学ぶ被災地ツアー

Keywords:  震災復興  市民社会・地域  教育 

 

写真:地域に学ぶ被災地ツアー
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東日本大震災の被災者支援プロジェクト「JKSK結結プロジェクト」が、東京新聞への連載を通じて被災地復興の様子を伝える「東北復興日記」。今回は、2015年10月23日に掲載された、旅行会社としての復興支援の取り組みをご紹介します。

旅行会社をつくろう-。そう思ったのは2009年のことでした。座学の講座で人材教育を行っていた私が2008年、関西で目の当たりにしたのは、座学だけではなくフィールドワークを通して地域を学ぶ講座でした。生産者やモノづくり技術者などの生きた話を聞くことで、参加者は知識だけでなく感動までも得ることができる内容でした。

宮城でも「地域に学ぶ」講座を開催したいと、宮城大学宮原研究室の協力をいただき、基礎知識を学ぶ講義とフィールドワークを実施、南三陸、東松島など宮城圏内各地に赴きました。

事業として確立するために旅行会社を設立する準備を始めていた2011年、東日本大震災が発生。「旅行なんてとんでもない」という時期であり、お世話になった南三陸も東松島も被害は甚大でした。旅行会社設立を諦めていたとき「今こそ設立すべきだ」と私を叱ってくれた方がいました。

「被災地に人を連れていく、その地のファンをつくる、それは旅行会社としてできる大きな復興支援」。自分自身にそう言い聞かせ、同年6月に「株式会社たびむすび」を設立しました。

以降、関西や首都圏、東北各地などから被災地にご案内したお客さまは、2千人を超えるほどとなりました。被災地へのツアーも「地域に学ぶ」をテーマに実施しており、旅行手配を引き受ける場合も来訪目的を詳しくうかがった上で訪問先をコーディネートしています。

例えば「復興に向かう商工業者の話を聞きたい」という団体様には、陸前高田でみそ・しょうゆの醸造をする八木澤商店の河野通洋(みちひろ)社長のお話や、気仙沼でサンマの加工品を製造販売する斉吉(さいきち)商店の斉藤純夫社長や和枝専務のお話を聞いて、その土地の食事をしていただくご提案をします。

被災地で前を向き、がんばる方のお話は参加者の皆さんの心に響きます。今後も、お客さまと各被災地の皆さんを結ぶ役割を担っていきたいと思っています。

ゆいネット/たびむすび
代表取締役 稲葉雅子

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