震災からの復興

2016年01月01日

 

妊婦、乳幼児へも支援を

Keywords:  震災復興 

 

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東日本大震災の被災者支援プロジェクト「JKSK結結プロジェクト」が、東京新聞への連載を通じて被災地復興の様子を伝える「東北復興日記」。今回は、2015年9月4日に掲載された、災害時に次世代を救う仕組みづくりに関する取り組みをご紹介します。

防災というと、どうしても災害に強い家や街づくりということに視点が置かれがちです。しかし東日本大震災直後に宮城県沿岸部の避難所を回った私は、災害が起こった時に医療資源をどうやって提供するか、病院へのアクセスをどう確保するか、大けがをしていなくても健康リスクのある方をどのように守るか、という対策が必要だと痛感しました。

特に人口減少や少子化がこれだけ危機感を持って語られる中、せっかく授かった命を災害から守るための仕組み作りが未来の被災地には重要です。例えば妊娠した方はさまざまな健康リスクを背負っていますが、短期間(10カ月)で妊婦さんではなくなってしまいます。一時的に要配慮者となる妊産婦・乳幼児を誰が責任を持って災害対応をするのかが不透明なため、対応が抜け落ちてしまいました。

自治体でも「災害」と「お産」のそれぞれが膨大な課題を抱えていましたので、その両方をカバーすることはできなかったのです。しかし事前の取り決めがなければ、いざという時に次世代が優先されることはありません。なぜなら、こども割合が世界最低(12.8%)となった日本では、妊婦さんや乳幼児たちが一番のマイノリティーであり、そのニーズが見えにくく、支援が届きにくくなってしまったからです。

この教訓を受けて、現在、いくつかの自治体では「災害時母子避難所」を決め、研修を行い、有事の際でも母子を一カ所に集めて支援物資や情報を素早く届け、子育て仲間がお互いに支え合う取り組みを始めています。

世界の先進諸国では急激に高齢化が進み、また温暖化に伴って風水害等の災害が増加しています。災害多発国であり世界一の高齢化率(25.78%、世界平均8.06%)、世界有数の少子化率(1.43、世界平均2.46)である日本だからこそ、この教訓を生かして災害時に次世代を救う仕組みを世界に伝えられればと願っています。

国立保健医療科学院 主任研究官 産婦人科医
吉田穂波

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