震災からの復興

2015年08月26日

 

気軽に相談 子育てカフェ

Keywords:  震災復興  NGO・市民 

 

写真:子育てカフェ
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東日本大震災の被災者支援プロジェクト「JKSK結結プロジェクト」が、東京新聞への連載を通じて被災地復興の様子を伝える「東北復興日記」。今回は、2015年3月20日に掲載された、乳幼児を抱える親をサポートする取り組みについてご紹介します。

2015年3月、福島県南相馬市のよつば保育園では、東日本大震災からはや5回目の卒園式を迎えました。

子育てをしている親は、原発事故による放射線の影響を気にして日々暮らしています。安心感を取り戻すために、私は副園長として保育園や乳幼児宅の除染をボランティアの皆さんと行ったり、NPOの活動として子どもの遊び場づくりを、また企業と連携して市内の高見公園に遊具を設置したり、水遊びのための「じゃぶじゃぶ池」を整備してきました。

安心感が少しずつ構築されてくると、今度は待機児童が出てくるくらいまで生まれる子どもの数が増えてきました。保育園に子どもを預けることのできない親は仕事に復帰することもできず、家で一人で子育てをしなければなりません。

原発災害に遭った被災地では、独りで育児に悩み、ストレスを抱えている母親が急増しています。0~2歳の乳幼児を抱える親のメンタル面のサポートが今求められているのです。母親のストレスや悩みを解消する場所は、ありそうで案外ありません。ママ友とおしゃべりしたり、子育ての悩みを相談できたりするような気軽に集まれる場所が必要だと考えました。

そこで仲間たちと計画を立て、昨年11月にオープンしたのが"子育て応援カフェ"の「37(みんな)カフェ」です。飲食もでき、子どもの遊びスペースも十分あります。親同士や子ども同士の出会いの場でもあり、子育ての悩みやストレスを溶かせる場、ワークショップなどを通じて学べる場でもあります。

全国の個人や企業が趣旨に賛同し協賛くださり、NPO法人「みんな共和国」により運営されています。南相馬の子育てを応援したい企業にとってもプラスとなるよう店内には協賛企業名も掲示されています。企業と家族をつなぐ場所でもあります。

たくさんの思いがつながり集まる場所、南相馬。遅れた春は、もうすぐそこまで来ています。

よつば保育園副園長 近藤能之

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