生物多様性・食糧・水

2014年11月08日

 

コップ一杯の水が子どもたちの命を救う

Keywords:    NGO・市民  企業(非製造業) 

 

写真:Clean & Safe Drinking Water
イメージ画像: Photo by Shawn Some Rights Reserved.

日本では普段、何気なく飲まれているコップ一杯の水。このコップ一杯の水に募金することで、安全な水をわずか一滴でさえ飲めない子どもたちを救うことができる。そんな取り組みについてお伝えします。

日本ユニセフ協会と博報堂の有志メンバーは、2014年8月1日からの1カ月間、「~きれいな水を、世界の子どもに。~TAP PROJECT JAPAN 2014」を開催しました。世界中の子どもたちが「清潔で安全な水」を使えるよう、ユニセフの活動を支援するプロジェクトです。

プロジェクトに参加するレストランでは、提供された水に対して募金をお願いする活動が実施され、全ての募金はマダガスカルでの「ユニセフの水と衛生事業」に使われます。農村部のコミュニティや小学校の給水設備・トイレなどが建設され、子どもたちを汚れた水や不衛生な環境から守ることが目的です。

日本では2009年から毎年行われており、日本ユニセフはホームページ上で過去の募金活動の成果を報告し、現地の子どもたちが安全な水を使えるようになったことを発表しています。
http://www.tapproject.jp/

TAP PROJECT JAPAN 2014に参加した、東京都八王子市にあるスープカリー専門店『奥芝商店八王子田代城』の店長、田代裕也さんに、スタッフライターの橋本雄太がお話を伺いました。

橋本:TAP PROJECTに参加しての感想をお聞かせください。

田代:前々からボランティアや募金などの機会がありましたが、今までは見て見ぬふりをしてきました。今回TAP PROJECTを通して、自分自身を見直し、自分に何ができるかということを改めて考えることができたと思います。

橋本:具体的には?

田代:本来であれば現地に行って支援をすることがベストなのかもしれませんが、それは難しい。今回の場合であれば、ユニセフを信頼してその人たちに協力することができます。また、従業員と共に、このTAP PROJECTの主旨への理解を深め、知識を蓄えてゆく、そして、お客さんや同業者に情報発信をしていくことが大事だと思います。

橋本:何か工夫されたことはありますか?

田代:ユニセフからテーブルカードや募金箱をいただき、それらを「さりげなく置いておく」ことが工夫の一つです。「お店の雰囲気を壊さず、理解していただけるお客さんにだけ募金のご協力をお願いする」というスタンスです。

橋本:今後も参加されますか?

田代:従業員の力も借りて、参加していきたいと思っています。

従業員の方々にもお話を伺いました。

橋本:TAP PROJECTに参加するにあたり、負担は増えましたか?

従業員:いいえ。特に、負担が増えることはありませんでした。

橋本:お客さんが募金箱にお金を入れてくれるところを見たときに、どのようなことを思いましたか?

従業員:直接的に自分の生活に変化があるわけではないですが、この募金の主旨を理解してくれたのだと思い、「ありがとうございます」。と言うことで何だか嬉しくなります。

橋本:実際に、このTAP PROJECTを体感することで自分自身の心境に変化はありましたか?

従業員:テレビなどで世界の子どもたちの現状などを目にすることはありましたが、自分から動こうとしていなかった自分に気づきました。まずは、「意識」を持って生活していくことが大事なのだと思います。また、当たり前かもしれませんが、日々の生活の中で「使うものは大事にして、長く使えるようにする」。ということを意識していきたいと思いました。

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日本では「安全な水を飲める」ということは当たり前のことです。しかし、世界に目を向けると決して当たり前ではありません。だからこそ、この恵まれた環境に感謝して、ほんの少しでも困っている人たちのために行動することが大事ではないでしょうか。

(スタッフライター 橋本雄太)

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