鉱物資源

2014年05月16日

 

JAEA 海水中のリチウム回収技術を開発

Keywords:  鉱物資源  大学・研究機関  環境技術 

 

写真:海水中のリチウム回収装置
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日本原子力研究開発機構(JAEA)は2014年2月7日、核融合炉やリチウムイオン電池に必要なリチウムを、電気を発生しながら、海水から分離回収する世界初の技術を確立したと発表した。

地上におけるリチウム資源は南米に偏在しており、埋蔵量は推定3000万トンと言われるが、塩湖での自然蒸発による回収なので、急増する需要に追いつかなくなることが懸念されている。一方、海水には約2300億トンのほぼ無尽蔵のリチウム資源が存在する。 

同機構では、海水中のリチウムを回収するため、イオン伝導体(NASICON型結晶構造のセラミックス)を分離膜として用い、海水中のリチウムを選択的に移動させる分離原理を考案した。回収試験では、海水に含まれるリチウムを最大で約7%回収することに成功した。この工程では電気が発生し、外部エネルギーを要しない特徴がある。 

更に、同リチウム回収液から、リチウムイオン電池の原料となる炭酸リチウムの粉末を精製することに成功した。この回収技術は、使用済みリチウムイオン電池からのリチウムリサイクル、海水淡水化などで廃棄している濃縮海水の有効利用などにも適用が期待できる。

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