生物多様性・食糧・水

2013年12月18日

 

水資源を地域の共有財として活用 「かばた」

Keywords:    NGO・市民  市民社会・地域 

 

Kabataイメージ画像: Photo by wakamoana. Some Rights Reserved.

滋賀県高島市針江地区の集落に見られる「かばた」と呼ばれる地下水利用の施設が、2012年6月に発行された平成24年版環境白書で、持続可能な自然資源利用のあり方として紹介された。針江地区は、古くからある「かばた」を備えた家屋がならぶ伝統的な集落。

「かばた」は、上水として利用できる湧水をためておく「元池」、野菜などを洗う水をためておく「壺池」、さらに「壺池」から流れ出た食品残渣を食べる魚を泳がせておく「端池」の3つから成り立っている。地下から湧出した水は「元池」「壺池」「端池」の順に流れて行き、最後は外につながる水路に排水される。

このような利用形態であるため、水源の上流部で湧き水を利用した家庭は、下流部に住む家庭に配慮して排水を汚さないという暗黙のルールが、互いの信頼の下で有効に働いている。地域の共有財産の持続的な活用の観点から、水資源を持続的かつ安定的に利用しつづけようとする努力は、最も基本的で重要な行動原理であると考えられる。

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