エネルギー・地球温暖化

2013年10月11日

 

世界的な気温上昇と海洋酸性化が進行 気象庁「気候変動監視レポート2012」

Keywords:  地球温暖化  政府 

 

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気象庁が2013年7月12日に発表した、世界と日本の気候、海洋、大気環境の観測、解析結果をまとめた「気候変動監視レポート2012」によると、2012年の世界の年平均気温は1891年以降で8番目に高い値となり、世界の年平均気温は100年あたり0.68℃の割合で上昇していた。

大気中、海洋中の二酸化炭素濃度は長期的に見て増加しており、大気中の二酸化炭素濃度は、2011年の世界平均値で390.9ppmであり、2010年と比べ2.0ppm増加した。最近10年間は毎年2.0ppmの割合で増加しており、これは1990年代の平均増加量の1.5ppmよりも大きい。1984~2012年の表面海水中の二酸化炭素濃度は増加しており、年あたり1.6ppmの増加が確認された。

今回のレポートでは新たに、海洋が人間活動により排出された大気中の二酸化炭素を吸収することによって生じた海洋酸性化(海水中のpH(水素イオン濃度)の低下)の監視結果も掲載した。

気象庁は、北西太平洋で長期にわたり継続した海洋観測を実施している。観測定線のひとつである東経137度に沿った北緯3度~34度における、表面海水中の二酸化炭素濃度のデータを用いて見積もった1984年以降の冬季のpHは、全ての緯度で明らかに低下しており(平均で10年あたり0.017)、海洋酸性化が進行していることが示された。海洋酸性化は、海洋による大気中のCO2の吸収能力が低下することによる地球温暖化の加速や生態系への影響が懸念されており、気象庁は今後も海洋環境の監視を続けるとしている。

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