2013年09月30日
Keywords: 共生社会 NGO・市民 エコ・ソーシャルビジネス
ホームレスの自立を支援する雑誌「ビッグイシュー日本版」は、2013年9月11日に創刊10周年を迎えた。ビッグイシューは、ホームレスを「救済」するのではなく、雑誌販売という仕事を提供することで自立を促す事業。
販売員となった人は、1冊300円の雑誌を140円で仕入れて販売することで、1冊あたり160円の収入を得られるしくみ。創刊以来10年間の販売冊数は累計575万冊、販売者収入は累計8億690万円に上る。販売者の累計登録数は1488名で、うち164名が販売員を「卒業」し、社会復帰を果たしている(いずれも2013年5月現在)。
こうした成果を上げながらも、ビッグイシュー日本の佐野章二代表は「まだまだ成功への途上」だと言う。実際、ホームレス問題は解決に向かっているとは言い難い。特にリーマンショック以降、若いホームレスが顕在化。ビッグイシューの販売者(東京)の平均年齢も、2008~2010年にかけて56歳から45歳に下がったといい、ビッグイシュー基金でも「若者ホームレス白書」を発行して警鐘を鳴らしている。
「一人ひとりに居場所と出番のある包摂社会をつくりたい」と佐野代表は希望を語り、この10年で生まれたさまざまなつながりを土台に、社会的に排除された人々の暮らしの再創造に貢献したいと考えている。