生物多様性・食糧・水

2013年08月19日

 

生物研、窒素肥料減少につながるマメ科植物のNINの機能を解明

Keywords:  食糧  大学・研究機関  環境技術 

 

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NIN の機能を人為的に誘導すると
根粒が形成される
Copyright 農業生物資源研究所

農業生物資源研究所(生物研)は2013年3月19日、マメ科植物が大気中の窒素を利用する際に必要な、根粒形成の鍵となるタンパク質「NIN」の機能を明らかにしたと発表した。ダイズなどの減肥料栽培が可能になると期待される。

マメ科植物は、根に土壌中の根粒菌が感染し、根粒を形成し共生することで、大気中の窒素を養分として利用することができる。根粒を作るのに必要なタンパク質の研究が進められて、12種類のタンパク質が発見されていた。これらのタンパク質の多くはイネにも存在するが、NINはマメ科植物だけに存在している。

生物研は、NINが働くことにより、動物や酵母にも存在し細胞分裂を制御すると考えられているタンパク質「NF-Y」の合成が促され細胞分裂が誘導される結果、根粒ができることを明らかにした。

NINの活性を調節することにより、根粒形成が制御可能になるので、大豆の栽培において、必要なときに根粒を作らせることで、窒素肥料の使用を少なくすることが期待できる。今後、イネなどの主要作物にNINの遺伝子を導入し、実際に根粒ができるかどうか確認する予定。

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