エネルギー・地球温暖化

2013年05月12日

 

日本鉄鋼連盟 製鉄工程で発生するCO2の3割削減へ第1段階をクリア

Keywords:  地球温暖化  企業(製造業) 

 

日本の産業界が排出するCO2のうち約45%が鉄鋼業に起因するとされているが、日本鉄鋼連盟は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援の下、製鉄工程で発生するCO2の3割削減を目指す新たな技術開発「COURSE50」を進めつつある。2008年度から進めていた第1段階を2012年中に終え、より高度な開発を2013年度から始める。

従来の製法は、COガスで鉄鉱石中の酸素を除去(=還元)することでCO2を発生するが、水素を用いて還元すると、H2Oのみが発生しCO2は発生しない。課題としてが、水素還元に伴う吸熱反応により、水素通入量の増加と共に高炉内の温度が下がる点、水素をふき込むと鉄鉱石が細かく砕けてガスの通路をふさぐ可能性がある点などが懸念されている。

スウェーデンの試験高炉で2012年に行った実験がこれらの課題を克服し成功したことを受けて、日本国内でより大きな実験高炉を建てる段階に移り、実操業に近い環境で5年間かけて、更なるノウハウを蓄積していく。

COURSE50では、新技術として水素還元に加えCO2の分離回収も柱に据え、官民挙げて2030年の実用化を目指している。

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