政策・制度・技術

2013年03月14日

 

九州工業大学 自然界の接着機構を模倣して天然物由来の強力接着剤を開発

Keywords:  環境技術  大学・研究機関  生態系・生物多様性 

 

九州工業大学の金子大作准教授は、自然界で生物が示す強力な接着効果のメカニズムに着目し、天然物を原料とする安全性の高い接着性化合物の創製を試みた結果、2012年12月までに高接着強度の高分子化合物を創製することに成功している。歯科用接着剤その他幅広い応用分野に活用していくことが期待されている。

同准教授は、ムール貝やウルシが持つ水中でも安定な接着効果を示す強力な接着機構に学び、かつ出発物質をポリフェノール類などの天然物に限定した形で、極めて安全性が高い環境調和型の接着性高分子樹脂の創製を試みた。その結果、工業用で最も強力なエポキシ接着剤の強度に匹敵する接着性高分子樹脂の開発に成功した。

この接着性高分子樹脂の特徴は、無機/有機を問わずあらゆる表面材質の対象物に対して強力な接着強度を有すること、人体を含む環境への安全性が高いこと、およびボトムアップ型の重合体のため使用目的に応じた分子設計ができること等があげられる。自然に学んだ接着機構を模倣することで、材質を問わない強力な接着強度を有しながら環境・人体には優しい、画期的な接着剤であり、幅広い分野への応用が期待される。

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