2013年02月18日
漢方で多く処方される生薬の甘草(かんぞう)を砂漠化防止対策として活用する研究を行っている九州大学、工学研究院の安福規之教授らのグループは2012年6月20日、モンゴル砂漠化地帯での植生実験に成功したと発表した。
乾燥地に自生していることも多い甘草の乱獲が、砂漠化の一要因とも考えられていることに着目し、現地の培養土を使って無灌水で前年9月より栽培開始したもので、いくつかの条件下で、種または地下茎からの発芽がみられたという。
2010年よりモンゴル科学アカデミーと連携し、九州大学東アジア研究機構、九州大学・玄海町共同研究活動の一環として、甘草の自生する土壌の土質や気象、地下水などの特性を把握するための現地調査を行ってきた。今後さらなる実証 実験を通して、砂漠地域における甘草を主体とした薬用植物の安定的栽培技術の確立と緑化を目指していく考えだ。
関連のJFS記事:
不可能を可能にした自然栽培と「奇跡のリンゴ」
ふるさとの木を植えて、いのちを守る森をつくろう ~植物
生態学者・宮脇 昭さん~
日本の哲人・福岡正信氏の自然農法 - 砂漠の緑化へ