2005年03月25日
2004年11月19日から21日までの3日間にわたり、世界アスベスト東京会議(GAC2004)が東京で開催された。世界40以上の国・地域からの参加者約120名を含む約800人が参加した。
アスベスト(石綿)による健康被害や各国での取り組みについて研究者、医療関係者、患者、市民団体などが意見交換や討論を行い、最終日には、アスベストの使用や再利用の禁止、労働者や一般の人々の保護、開発途上国への移転の防止などを盛り込んだ「東京宣言」が採択された。
アスベストは不燃性、耐熱性、耐摩耗性に優れているため、屋根や外壁の建材など、多くの製品に使用されてきた。しかし、発がん性があり、吸い込むと40年前後の潜伏期間の後、悪性中皮腫や肺がんなどを発症させることが明らかになっている。日本では死亡者数が急増し、今後40年間で約10万人に達するという推定もある。
国際的なアスベスト禁止に向けた動きの中、すでに欧州連合(EU)は2005年1月に全面使用禁止に踏み切ることを決定した。しかし、中国やタイなどアジア各国では経済成長に伴い、アスベストの使用量が急増し、同時に重大な健康被害も報告され始めている。
日本では段階的に使用が制限されてきたが、未だに全面禁止には至っていない。さらに、既存建物の解体時や、阪神大震災などの災害による倒壊時のアスベスト飛散が問題になっている。この会議を契機として、世界的な取り組みに向けた日本の役割が期待されている。
http://park3.wakwak.com/~gac2004/index.htm
登録日時: 2005/03/25 03:40:53 PM
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