持続可能な日本を測定する指標
| Posted by jfs |
2006.01.28 Sat

持続可能な指標のフレームワーク

持続可能性の5つの価値概念と4つの基軸を組み合わせたものをフレームワークとし、指標選定の手がかりとします。

  容量・資源 世代間公正 地域間公正 多様性 意思とつながり
環境 資源循環・
廃棄物
水・土・空気
温暖化 温暖化 生物多様性 環境教育
経済 エネルギー
資源生産性
食糧
財政 食糧、
国際協力
エネルギー 国際協力
社会 安全 伝統・文化 モビリティ ジェンダー・
マイノリティ
伝統・文化
社会責任投資
個人 心身の健康 生活格差 生活格差 市民参加 生活満足
学力・教育
心身の健康
市民参加


指標選別の基準、考え方

以下の基本的な考え方に沿って20の指標は選択されています。これらはあくまで代表的なヘッドラインであり、網羅性・包括性の観点では選ばれておらず、この20ですべてをカバーできる指標という意味ではありません。

  1. 代表性・重要性: その指標が必要不可欠かどうか
  2. 連関性:ビジョンや他の指標とのつながりがあるか
  3. 実現可能性:現実性や実現の根拠があるか
  4. 象徴性:その領域を代表するシンボリックなものか、社会的関心の喚起
  5. 理解可能性:誰にでもわかりやすいか、身近に感じられるか
  6. 比較可能性:国際比較や経年変化の追跡ができれば可能なもの
  7. 結果よりもプロセスを見るもの、Root Causeに迫れるもの
  8. マルチステークホルダーの観点: 誰のための持続可能性か
  9. 公平性:日本だけが持続可能であればいいわけではない


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2006.01.28 Sat
カテゴリー ヘッドライン指標 2005年 1990年
生物多様性・森林 絶滅の危機に瀕しているワシタカ類 54 54
温暖化 1人あたりの温室ガス排出量(年間) 0 0
資源循環・廃棄物 1人1日あたりのゴミの総排出量 3 2
水・土・空気 化学合成農薬の投入量 33 0
環境教育・システム グリーンコンシューマの割合 30 24


 
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2006.01.28 Sat

N-1. 絶滅の危機に瀕しているワシタカ類

1.現在値
16種/35種(2002年)

2.現在の得点
(2050年を100点満点として) 54点
※得点算出法:(100%-(絶滅危惧種/種数)*100)

3.指標の解説
持続可能な社会では、生物の多様性が守られている。ワシタカ類が生息していくためには、良好な自然環境が保たれた、多様性に富む充分な餌生物が安定的に供給される広大な面積の生息地が必要となる。このため、ワシタカ類の生息状態は、生態系の質を総合的に測る指標の1つとなりうる。
また、高次消費者ほど環境ホルモンなどの物質が蓄積されやすく、ワシタカ類に異変が起きた場合、その地域の有害化学物質の現存量がそこで生活する人間にとっても影響があるレベルに達している可能性が高いと考えられ、地域の生態系の質や変化を測るバロメーターとなる。

4.2050年の目標
0種/35種

5.将来あるべき姿
0種/35種

6.あるべき姿と目標値の理由
ワシタカ類は、生態系ピラミッドの頂点に立つ高次消費者として、生態系のバランスを保つ役割を担う。その絶滅・減少は、特定生物の一時的増加などを生み出す危険があり、安定した生態系を維持するためにワシタカ類の保護は重要。
現在、日本で生息が確認されているワシタカ類は2科29種(亜種含め35種)あり、そのうち16種が絶滅の危機に瀕している。現在確認されているすべての種が危機を脱することがあるべき姿である。

7.出典
環境省「生物多様性情報システム レッドデータブック」より抜粋



 
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2006.01.28 Sat

N-2. 1人当たり温室効果ガス排出量(年間)

1.現在値
10.5トン/人年(2003年度)

2.現在の得点
(2050年を100点満点として) 0点
※得点算出法:
(現在値-最低値)/(2050年の目標値-最低値)*100

3.指標の解説
持続可能な社会では温暖化・気候変動の影響が最小限にとどめられている。現在、日本の二酸化炭素排出量は約13億トンで世界の約5%を占めている(人口は世界の約2%)。1人当たりでは約9.9トンで、米国の約20トンより低いが中国の約2トン、インドの約1トンと比べ非常に高い水準にある。
全体の排出量を生態系の吸収許容な範囲に抑えるには、1人当たりの大幅な排出量削減が必須である。温暖化効果を引き起こすのは二酸化炭素排出量以外にもメタンやHFCsなどがあるため、他の温室効果ガスの分を加えた1人当たり温室効果ガス排出量(年間)を指標に選んだ。

4.2050年の目標
2.0トン/人年

5.将来あるべき姿
2.0トン/人年

6.あるべき姿と目標値の理由
国立環境研究所と東京工業大学の研究チームは、気温の上昇を2度以下に抑え、温暖化による深刻な影響を避けるためには、温室効果ガスの濃度を現在の約1.3倍程度で安定させ、排出量も地球全体で2050年には1990年水準の半分以下にする必要があると試算した(2005年3月発表)。これを人口比で割り当てると、日本は約80%(9億8000万トン)、1人当たりでは約2.0トンの削減が必要となる。

7.出典
環境省「我が国の温室効果ガス排出量」をベースに算出

8.一口メモ
温室効果ガス排出量を年度の総人口で割り、算出。京都議定書の基準年の値は、1990年を採用。ただし、HFCs、PFCs、SF6については1995年の値。EUでは1990年水準と比べて2050年までに最大80%の削減を測ることを検討している。



 
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2006.01.28 Sat

N-3. 1人1日あたりのごみ総排出量

1.現在値
1,111グラム/人日(2002年度)

2.現在の得点
(2050年を100点満点として) 3点
※得点算出法:
(現在値-最低値)/(2050年の目標値-最低値)*100

3.指標の解説
持続可能な社会では、廃棄物の発生が最小限に抑えられ、むだなく資源が循環している。自然界にあるような持続可能な資源循環を実現するためには、大量生産・大量消費・大量リサイクルとしてエネルギー消費を増大するのではなく、まず発生を抑制し、自然が分解できる質量にすることが必要である。
そのためには一人一人のライフスタイルの変革がかぎを握っているため、1人1日当たりのごみ総排出量を指標に選んだ。

4.2050年の目標
411グラム/人日

5.将来あるべき姿
411グラム/人日

6.あるべき姿と目標値の理由
「エコロジカルフットプリント」は、ある地域の人間の生活を支えるのに、どれだけ「生物学的に生産可能な土地・水域」が必要かを面積で表したものである。現在、地球が実際に供給可能な面積は2.18haだが、日本はその2.7倍の5.94haとなる。これは日本人の生活から出る環境負荷を約1/3(正確には1/2.7)にする必要があることを示している。今回は仮説として、この数値を目標値の算出に適用した。

7.出典
環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等について」より

8.一口メモ
全国の一般廃棄物(ごみ及びし尿)の総排出量は5,161 万トンで、ここ数年横ばいが続く。



 
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2006.01.28 Sat

N-4. 化学合成農薬の投入量(露地野菜、10a当たり)

1.現在値
3.1kg/10a(2000年)

2.現在の得点
(2050年を100点満点として) 33点
※得点算出法:
(現在値-最低値)/(2050年の目標値-最低値)*100

3.指標の解説
合成化学農薬は、戦後以降の農業の飛躍的な生産性向上に貢献した。しかし、農薬の一部は分解せずに作物に付着したり、そのまま土壌や大気中に、また河川に流出するものがある。アトピーや生殖機能低下などの健康被害の増加から、人々は安心・安全な食品や土、水を求めている。
今後は、できるだけ農薬の使用を減らし、自然界から得られる養分(肥料)のみを利用した有機栽培が増えていくことが大切であると考え、指標に選んだ。

4.2050年の目標
限りなくゼロに近づける

5.将来あるべき姿
限りなくゼロに近づける

6.あるべき姿と目標値の理由
農薬の登録制度や残留農薬基準などにより、人間に安全なレベルを目指し使用が制限されているが、自然界にはない化学合成物質である以上、人間はもちろん、昆虫や魚、鳥類など野生動植物の生理への悪影響は免れない。予防原則の立場から投入量は少なければ少ないほど良いことから、あるべき姿、2050年の目標値ともに限りなくゼロに近い値とした。

7.出典
農林水産省「農業生産環境調査 農薬の形態別投入量」より

8.一口メモ
1990年はデータがないため、農薬出荷量の推移より推定算出。(農林水産省「農薬コーナー 農薬の生産・出荷量の推移(http://www.maff.go.jp/nouyaku/)参照)
1990年の約51万トンから、2000年は34万トン(67%)に減少。仮に投入面積がほぼ変わらないと仮定すると、1990年の農薬投入量は、2000年の投入量の3/2として約4.6kgと推定される。



 
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2006.01.28 Sat

N-5. グリーンコンシューマの割合

1.現在値
29.9%(2003年度)

2.現在の得点
(2050年を100点満点として) 30点
※得点算出法:
(現在値-最低値)/(2050年の目標値-最低値)*100

3.指標の解説
グリーンコンシューマとは、環境に配慮している製品に対して購買意欲がある消費者のことである。グリーンコンシューマが増えることで、環境配慮商品の市場での流通が増え、商品のライフサイクルでの環境負荷が下がっていく。
現在、学校やコミュニティ、企業での環境教育導入が進んでいるが、その成果は一人一人の消費行動の変化に結びつく必要があるという考えから、この指標を選んだ。

4.2050年の目標
100%

5.将来あるべき姿
100%

6.あるべき姿と目標値の理由
数値は「物・サービスを買うとき、環境への影響を考えてから選択している」という問いに、「いつも行っている」「大体行っている」と回答した人の割合。
日常生活を起因とする環境負荷が十分に低い状態においては、購買の際に環境配慮することは意識としては「あたりまえ」の状態になっているはずであるなので、あるべき姿、2050年の目標値は、この割合が100%に達していることとした。

7.出典
環境省「環境にやさしいライフスタイル実態調査(国民調査の結果)」より

8.一口メモ
「環境と経済の好循環ビジョン−健やかで美しく豊かな環境先進国へ向けて」(環境省中央環境審議会総合政策部会環境と経済の好循環専門委員会報告)(平成16年4月19日)は、2025年の目標値を80%としている。



 
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2006.01.28 Sat


 
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