【イベント報告】JFSのこれまでの歩み その1(JFS設立記念講演)
皆さん、こんにちは。今日はジャパン・フォー・サステナビリティのシンポジウ ムにおいでいただき、ありがとうございます。共同代表のひとり、枝廣淳子です。私から、JFSの設立背景のご説明とこれまでのご報告をさせていただきます。
私たちの組織の名前は、ジャパン・フォー・サステナビリティといい、略してJFS と呼んでいます。
JFSの説明をする枝廣
Copyright Japan for Sustainability
この名前には、2つの思いを込めています。1つは持続可能な世界のために日本 に何ができるのだろうか? 日本にある様々な取り組みや考え方、技術などを世界に発信して使っていただきたい、ということです。(for には「〜のために」 という意味があります)
もう一つは、持続可能な日本に向かって私たちはどうやって進んでいくのか? それを考える場を提供していけたらという思いも込めています。(for には「〜 へ向かって」という意味もあります)
私は通訳という職業柄、海外とのやりとりの場面に立ち会うことが多いのですが、 日本の環境の取り組みはとても進んでいる部分があるのに、そういう情報が世界にはまったく伝わっていないんだな、と痛感することがよくありました。
日本でもいろいろな企業が環境報告書を作成し、英語版も作っているところがた くさんありますが、しかし、実際にその情報を使ってもらえる人にその情報が届 いていないことが多いように思います。そして「それは、世界にとっても日本に とっても、もったいないことじゃないかな」と思いました。
また、英語で、きちんとした形で、しかるべき人のところに届ければ、その情報 は世界中に回っていろんな方のお役に立てるんだという、実感の伴う経験もいくつかすることができました。
そのようなことを考えていた時に、もうひとりの共同代表の多田と思いが同じで あることがわかり、「他でやっていないのだったら、じゃあ、自分たちでやろうじゃないか」とこの組織を立ち上げました。
私たちJFSは、いくつかのことをやろうとしています。まず第一に、今申し上げ たように、日本の進んだ環境の取り組みを英語にして世界に発信したい、ということです。
世界に発信する目的は、ターゲットごとにいくつかあります。1つは先進国、環 境先進国といわれる国です。そういう国も、日本が今やっていることや考え方、そして日本に昔から伝わるいろいろな知恵に学べることがあるだろう、それを刺 激として使っていただけたら、と思います。
それからもう1つは、これから発展しようとしている途上国です。日本がたどっ てきた道ではなくて、それを一歩超えた新しい技術を先に使ってもらう。新しい考え方を先に取り入れてもらう。そういう情報があれば、私たち先進国をぴょん と飛び越えて、先に行ってもらえるんじゃないか。そういうお手伝いができれば、と思っています。
それから、これは自分が3年以上メールニュースという環境情報を発信してきた 経験からですが、情報を発信すると必ずフィードバックが返ってきます。JFSの発信する情報に対して、世界から返ってくるフィードバックを今度は日本の方に 伝えていきたい。日本のやっていることは、世界でこんなふうに認められているんだよ、励みになっているんだよ、もっとやろうよ、というそんな励ましや刺激 になったら嬉しいな、と思います。
それからもう一つの使命(ミッション)は、先ほどの2つ目のfor についてです。 今、自治体でも企業でも、NGOでも個人でも、いろいろな環境への取り組みを進めています。
でも、そういった取り組みをすべて統合して、私たち日本はどこに向かっている んだろう? 持続可能な日本ってどういう形なんだろう? 日本が持続可能な国になった時、その食糧や、エネルギーや物の動き、人々の暮らしはどうなってい るんだろう? そういう大きなビジョンを描くことはなかなか難しいような気がしています。
私たちJFSがその役割を果たせるとは思ってはいませんが、少なくともそういう ことをみんなで話し合えるような場を提供して、一緒に考えていけたら、と思っ ています。
JFSはNGOです。あくまでも任意団体であり、NPO法人格は取っていません(取る 予定はありません)。共同代表は多田と私の2人、そして三橋規宏先生、山本良一先生、レスター・ブラウン氏の3人に理事をお願いしています。
後でお話しますが、私たちの組織は法人会員の皆さんと個人サポーターの方々に 支えられています。そして、実際の作業はたくさんのボランティアの方に支えてもらっています。
今日のこのシンポジウムも、何十人ものボランティアの方が事前に打ち合わせを して、準備を整えて下さいました。今日も早く来て、いろいろな手配をしてくださって、このように素晴らしいシンポジウムが実現しました。
また、JFSを立ち上げる時に、自治体や企業、大学、NGOで活躍されている方 々などに、「こういう活動を始めます。是非応援して下さい」とお願いをしまし た。たくさんの方々から、「それはいいことだから、是非やりなさい、応援して あげます」といっていただき、うれしく思っています。発起人のリストもウェブ にあります。このように、たくさんの方々のお力を借りて、8月27日に記者会見 を開き、この組織を立ち上げることができました。
実際の活動内容についてお話します。すでに私たちのウェブサイトを見て下さっ た方もいらっしゃると思いますが、大きな活動としては、二つの柱で世界への情報の発信をしています。
1つはウェブサイトです。JFSのウェブで、1ヶ月約30本という目標で、実際に は25〜26本でしょうか、日本の様々な進んだ環境の取り組みを発信しています。自治体の取り組みや企業の新製品や技術、NGOその他、あらゆるセクターの情 報を発信しています。ウェブには日本語と英語でほぼ同じ情報を載せています。
ウェブにたくさんの情報を載せていくことは可能ですが、そもそも世界の人々に、 こういうサイトができました、日本の情報はここで取れますよ、とまず伝えないと見に来てくれません。
その補強も兼ねて、もう一つの活動は、毎月のニュースレター発行です。ウェブ での情報は、個々の記事が中心です。「こういった取り組みが始まりました」、「こういう成果が上がりました」という情報が多いのです。
それを大きく俯瞰したときに、では日本ではいま何がホットなのか、どこへ向か おうとしているのか、日本の全体像はどうなのか、そういうことをまとめた形で伝えるようと出しているのが毎月のニュースレターです。
それから先ほど申し上げましたように、情報を出せば出すほどフィードバックや 問い合わせ、依頼などが返ってきます。実際に、すでにそのような声がたくさん寄せられていますが、そのように海外との情報のやり取りの窓口になること。こ れも私たちの活動のひとつです。
このように、情報を出していくこと、海外とやりとりすること、返ってきたフィー ドバックを国内に伝えることを主な任務としてやっています。
実際のウェブのサイトは、いくつかの情報群に分かれています。たとえば、日本 の基本的な情報を世界の方に知っていただくコーナーもあります。人口はどうなっているとか、産業はどんな形なのかとか。これは日本語でも同じものが載ってい て、日本人にも役に立つといってもらったことがあります。
ウェブの中心は、「インフォメーション・センター」です。トップページからも、 インフォーメーション・センターのページからも記事の検索ができます。「新着」をクリックしていただくと、30日以内にアップされた情報を見ることができます。
また、「インフォメーション・センター」のページでは、いろいろな検索の組み 合わせができます。たとえば「自治体」で「温暖化」への取り組みは何があるかな? 「製造業」の「環境技術」にはどんなものがあるかな? そのような複合 検索もできます。または、たとえばトヨタに関する情報はどれぐらいあるかな?という検索もできます。このページはすべて、日本語/英語で同じものを用意し てありますので、英語で検索していただくこともできます。
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